個人再生とは?メリット・デメリットや任意整理などとの違いを詳しく解説

終わらせることができます。借金の返済を中心に考える生活。個人再生を専門家に相談して安心な生活を
終わらせることができます。借金の返済を中心に考える生活。個人再生を専門家に相談して安心な生活を

個人再生をお考えの方へのご挨拶

個人再生はベストパートナーへご相談ください。
個人再生は借金の総額(住宅ローンを除く借金)を大幅に減らすことで、個人の再生を目的とした法的手続きです。
ベストパートナーに掲載している弁護士事務所や認定司法書士事務所は個人再生を得意としている先生です。
借金の返済が苦しくなる前に相談することをお勧めしています。
しかし、大半の方はどうにかしようと頑張りすぎてしまい、相談することを躊躇してしまい、本当に苦しくなってから相談される方が殆どです。
自己破産ができない理由を抱えている方、住宅ローンを抱えた住宅を手放したくないと考えている方、借金を解決したい方、お早めにご相談していただきたいと思います。

個人再生のご相談を早くされたほうが良い方

  • 住宅ローン以外に借金があり返済に困っている方。
  • 多額の借金があり返済の目処が付かない方。
  • 借金を大幅に減らしたい方。
  • 借金の減額や月々の返済額を減らしたい方。
  • 住宅を手放したくない方。
  • 返済を諦めていない方。
  • 理由があって自己破産を避けたい方。

※個人再生は自己破産を避けたい方や自己破産の手続きが難しい方に最適な解決方法です。個人再生が適用できるかは、借金の金額や生活状況によって判断します。
任意整理と比べると用意する書類も多く、とても複雑な債務整理の方法になりますが、借金は大幅に減額されます。
個人再生は複雑な手続きになりますので、専門家に頼りご相談していただくことをお勧めします。

目次

個人再生手続とは

企業の債務処理で民事再生という言葉を耳にしたことはありませんか?これは事業者が倒産しそうになった場合に利用できる手続きで、再建型の債務処理のことです。
この民事再生手続を規定している民事再生法が改正され、個人向けの再生型債務整理手法、つまり生活再建型の解決手法としての個人再生手続が、国会で成立したのは2000年、施行されたのが2001年4月のことでした。任意整理、特定調停、自己破産など、従来からの債務の整理方法に加えて、新たに個人の借金を整理する救済手段「個人再生」が生まれたのです。
個人再生手続を簡単に説明すると、1000万円の借金をした債務者が5分の1の200万円を3年間で返済するという再生計画案を立て、それが裁判所によって認可されて、計画案通りに200万円を返済すれば、残りの800万円は免除されるというものです。
自己破産の場合には、価値がある財産については処分の対象になってしまいますが、個人再生手続の最大のメリットは、生命保険や車などの財産を持ったまま手続きができますし、住宅ローン特則、住宅資金特別条項、住宅ローン特例という制度を利用することで、住宅ローンが残っている住宅は手放さずに債務整理がおこなえることです。また、仕事の制限などもないので、自己破産とは違うメリットもあります。
個人再生手続には小規模個人再生と給与所得者等再生の2つの方法があり、債務者の状況に応じて利用できる方法が異なります。
ベストパートナーのサイト内に、個人再生にまつわる内容を文章や図で詳しく記載しております。正しい個人再生の知識を身に付けていただき、借金がないもとの生活を取り戻していただきたいと思います。
個人再生手続きの2つのパターンの図

個人再生が当てはまる条件

個人再生が当てはまるための条件は下記の4つです。
1.将来的に継続、または、反復した収入があり再生計画に則った弁済が可能なこと。
2.借金総額が5,000万円以下(過払い金の清算後)であること。
3.債権者から1/2以上の不同意(反対)がないこと。(小規模個人再生手続のみ)
4.過去7年以内に、個人再生手続のハードシップ免責許可決定、給与所得者再生の再生計画認可決定、破産手続免責決定を受けていないこと。(給与所得者再生手続のみ)
※個人事業主の方、アルバイト収入しかない方、年金受給者の方の場合についても個人再生が可能な場合もあります。

個人再生手続きの流れ

個人再生の手続きをおこなうには、個人再生手続きの経験が豊富で、個人再生が得意な弁護士や認定司法書士を選んで相談することをお勧めします。
個人再生の手続きはとても複雑で専門的な知識がないと難しい方法だと思います。
弁護士や認定司法書士に支払う費用は決して安い金額ではありませんが、個人再生の手続きが終われば、借金の返済金額を大幅に減額してもらうことになります。
また、裁判所が個人再生委員をつける場合もあり、最終的には専門家に依頼するケースが多いです。

1.弁護士や認定司法書士に依頼をする

弁護士や認定司法書士のどちらを選ぶかですが、裁判所から個人再生委員(裁判所が選んだ弁護士)が付く場合もあるので、弁護士を選んだ方が良いかもしれません。認定司法書士のほうが料金は低めに設定されていますので一概には言えませんが、認定司法書士は書類作成とアドバイスまでになります。

2.受任通知の送付

受任通知は弁護士や認定司法書士に依頼後、債権者に債務整理の依頼を受けたことを知らせる通知です。通常は委任契約を交わした当日に受任通知を送付します。
債権者は受任通知を受け取ると、債務者に直接取り立てを行うことができなくなります。
また、債権者には債権の金額や契約内容を届け出てもらうことになります。
消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者には取引履歴の開示請求を合わせておこないます。

3. 収支・財産の調査

収支・財産を調査します。
収入を調査する目的は、個人再生で借金を減額した後に、借金を返済する能力があるかを確認するためです。
また、財産をどのくらい持っているか、借金がいくら減額されるかに関わってくるので債務者には以下の必要書類を提出してもらいます。(通帳・保険債券・車検証・不動産登記簿謄本・財産の査定書など)

4. 個人再生申立書の作成

調査が済んだら個人再生の書類作成に入ります。個人再生には2種類あります。
(1)小規模個人再生
(2)給与所得者等再生
収支・財産を調査した結果で、どちらの手続きが適しているかを判断し、裁判所に提出するための書類を作成していきます。(個人再生の多くは小規模個人再生の手続きが多いです)
「個人再生申立書に添付する書類は以下の通りです」
・債権者一覧表・家計簿・財産目録・住宅・住宅ローンに関する資料(住宅資金特別条項を利用する場合のみ)

5. 裁判所へ個人再生の申し立て

裁判所へ作成した書類を提出します。住所地を管轄する地方裁判所に提出します。
申立書の提出には費用がかかります。費用は収入印紙で納付します。
実際に申立書が受理されたら、官報予告費を予納することになります。
申立書の受理後、当日〜1週間程度で個人再生委員が選出されます(裁判所によっては選出されないこともあります)。
個人再生委員は、申立人の財産や収入を確認することを目的とします。また、作成する再生計画案にアドバイスもおこないます。

6. 債務履行テスト

申し立てから約1週間後に債務履行テストがはじまります。
これは債務者が借金を減額された後、確実に返済する能力があるかを判断するためのテストです。
再生計画案での弁済予定額を、毎月、個人再生委員が指定した口座に、6か月間支払いをおこないます。その支払ったお金は個人再生委員の報酬が差し引かれ、余ったお金は債務者に返還されます。

7. 個人再生手続きの開始

1回目の債務履行テストを終えたら、申し立てから3週間以内に、個人再生委員が手続きを開始すべきか判断をします。
そして、裁判所へ意見書を提出します。
裁判所はこの意見書をもとに審査をおこない、妥当だと判断されれば個人再生の手続きが始まることになります。

8. 債権の届け出・調査

返済金額を確定するために裁判所から各債権者に個人再生手続きの開始決定書と債権届出書が送付されます。書類が揃ったら、債権認否一覧表を提出します。(債権届出書の内容を認めるかどうかを示すものです)
同時に、申立て時と財産の状況が変わっていないかの報告書も提出する必要があります。

9. 再生計画案の作成

再生計画案の提出期限は裁判所へ申立てしてから3~4ヶ月となっていますので、提出期限までに必ず提出します。提出できない場合はどんな理由でも手続きが廃止されます。
再生計画案に記載する内容は次の通りです。(減額後の借金の総額・返済の開始時期と期間・
返済方法・住宅資金特別条項を利用するか)
裁判所によっては再生計画に基づいた返済計画表の提出も必要な場合があります。
作成した再生計画案は裁判所および個人再生委員に提出します

10.再生計画案の決議

再生計画案は給与所得者再生ではおこなわれませんので次の11に移ってください。小規模個人再生の場合、再生計画案の決議がおこなわれます。個人再生委員が裁判所に対し書面決議をおこなうかの意見書を提出します。その意見書をもとに裁判所は書面決議をおこなうか意見聴取をおこなうかの判断をします。
書面決議が行われた場合、債権者又は、債権総額の過半数の不同意がおこると、再生手続きが廃止されてしまいます。
個人再生委員は書面決議の結果を踏まえて、再生計画の認可・不認可に関する意見書を裁判所に提出します。

11.再生計画の認可・不認可

裁判所により再生計画の認可、不認可が決定されます。再生計画案が決定されると依頼をした弁護士や認定司法書士、債権者に認可決定書が送付されます。
官報には認可。不認可の決定から2週間後掲載され、さらにその2週間後に確定することになります。

12.個人再生手続きの終了

道のりの長かった個人再生の手続きが終わりました。12までお付き合いいただいてわかるように個人再生の手続きは手間がかかり一人でおこなうのは難しいと思われたのではないでしょうか。

13.返済がスタート

個人再生手続きが終了したら、再生計画案に沿って返済がはじまります。
返済は毎月、2か月に一度、3ヶ月に一度のいずれかになります。
支払い期間は原則として3年間ですが、場合によっては5年などの長期の返済案も通る場合もあります。

給与所得者再生とは

給与イメージ
一般のサラリーマンなど安定した収入がある方が対象になります。収入の変動が少ないと認められる人を対象としています。具体的には、こちらでは、再生計画の成立において、債権者の同意・不同意を確認する手続が省略されていますが、可処分所得弁済要件(可処分所得の2年分)が設けられています。一般のサラリーマンであっても、ほとんどの債務者は小規模個人再生手続きをおこなう傾向があります。個人再生の基本的な手続きは「小規模個人再生」だからです。

小規模個人再生を考えた時

脱サラして飲食店を営んでいた相談者さんは赤字経営を続けてしまい、閉店を余儀なくされました。現在も店の運転資金として借りた多額の借金を抱えている。
相談者
私は数年前に会社を辞めて、夢だったラーメン屋を開いたのですが、コロナ禍のため赤字経営に陥ってしまいました。店を続けるために銀行や消費鞘金融などから借金を重ねているうちに借金総額が膨れあがってしまい、仕方なく店を手放しました。現在もまだ600万円の借金が残っています。なにかいい手はないでしょうか?できれば将来もう一度店を持ちたいと考えています。
相談員
相談者さんはどのように返済しようとお考えですか?
相談者
前職で取得した土地家屋調査士の資格を活用し、ひとまず不動産会社に再就職しました。妻もパートに出て、2人の給与収入を生活費と借金の返済にあてようと予定していたのですが、子供ができてしまい妻は働けなくなってしまいました。経済面で頼れる親類縁者もいないため、この先我が家の生活は立ち行かなくなってしまいそうです。
相談員
なるほど、了解しました。お子さんのためにも、何とか借金を整理したいところですね。相談者さんの状況で、考えられる債務整理の手続きとしては、自己破産か個人再生の手続の2つがあります。相談者さんは資格が仕事上必要とのことですので、資格制限がある自己破産は避けたいところですね。そこで、個人再生手続のうち、相談者さんが利用できる小規模個人再生について説明していきましょう。

小規模個人再生手続(借金の総額はどうなりますか?)

個人再生イメージ
個人再生手続には、債権者の一定の同意が必要な小規模個人再生手続と、債権者の同意を必要としない給与所得者等再生手続の2種類があります。
小規模個人再生手続は、住宅ローンは考えず無担保債務の総額が5000万円以下で、継続した収入が将来も見込める人が利用できる制度です。サラリーマンはもちろん、自営業者や農業の仕事などでも活用できます。
個人再生手続では、原則として3年間で分割返済する再生計画案をつくり、それが裁判所に認可されると、抱えている借金の返済期間や返済額など、契約内容を変更してもらうことができます。もちろん計画案通りに返済を完了できることが前提ですが、生活に見合った返済が可能なので、非常に前向きな債務整理方法といえます。
実際に小規模個人再生手続を利用した場合、最低限返済しないといけない最低弁済額は、借金の金額によって次のように定められています。

小規模個人再生手続の補足

詳細がすぐ調べられない債権がありますが、手続は進められますか?
実際には手続の申し立てをした時点で、債務者と債権者間との取引の経過がはっきりせず、再生計画案に正しい内容を盛り込めないケースがあるでしょう。その場合には、現在わかる範囲の債権を記載します。
一方、債権者側も、裁判所から送付されてきた債権者一覧表の内容を確認し、内容に誤りがある場合は、期間内に裁判所に届け出ることができます。もし再生計画案から漏れてしまった債権があると、後に訴訟などのトラブルにもなりかねません。それを防ぐために、手続の中には何度か見直しのチャンスが設けられているのです。
債権者側から異議があった債権に対して、裁判所はその異議内容を評価するために、個人再生委員(通常は弁護士)を選任し、申し立て内容の評価を個人再生委員に聞いた上で、再生債権の内容を確定します。また、期間中に債権の届けがされなかったものや、評価の対象となったものの内容が認められなかった債権は、原則的に再生計画案には盛り込まれず、返済しなくてもよいことになります。しかし、その後に訴訟などが起されて、債権の内容がはっきりすると、返済の義務が生じてしまう場合もあります。そうしたリスクを避けるためにも、再生計画案は慎重に作成する必要があります。

基準債権額

※個人再生手続きでは以下の3つの基準を比較して最も高い金額で再生計画案を作成します。

1.負債額から算出する金額(最低弁済基準) 負債額が100万円未満の場合は、負債額全額
負債額が100万円以上500万円未満の場合は、100万円
負債額が500万円以上1500万円未満の場合は、負債額の5分の1
負債額が1500万円以上3000万円未満の場合は、300万円
負債額が3000万円以上5000万円未満の場合は、負債額の10分の1
2.財産(清算価値)から算出する金額(清算価値基準) 退職金、自動車や不動産など、裁判所が「財産」と判断するものの価値総額。
3.収入から算出する金額 収入から、住民税や所得税等の税金、社会保険料、および、政令で定められた必要最低金額の生活費を差し引いた金額(可処分所得)の2倍(2年分)の金額。

小規模個人再生の場合は、1と2を比較し、その高い方の金額で再生計画案を作成します。給与所得者等再生の場合は、1・2・3を比較して一番高い金額で再生計画案を作成します。

住宅ローン特則とは?住宅ローン条項とは?

住宅ローンの支払い額を減らすことできますか?
生活の基盤である住宅を維持したまま、住宅ローンの返済スケジュールを延長する手続です。よくある勘違いが住宅ローン自体の金額を少なくできると思っている方も中にはいますが、あくまでも支払いを繰り延べる制度なので、誤解のないようにしてください。
住宅ローン特別条項には次の4種類があります。
①期限の利益回復型
②弁済期間延長型
③元本の支払い猶予方
④住宅ローン債権者の同意方
自己破産手続きでは破産宣告時に住宅を所有している場合、住宅はお金に換えられ、その処分代金は債権者に配当されます。場合によっては競売にかけられてしまうこともあります。いずれにしても、債務者は最終的に住宅を維持できなくなってしまします。その点、個人再生手続を利用すれば、住宅を手放さずに生活することが可能になります。

個人再生のメリットとデメリット

メリット・デメリットイメージ
以前は借金の返済が苦になると自己破産をしていましたが、個人再生の法律が2001年4月に施行されてから自己破産せずに借金を解決できる人が増えました。しかし個人再生にはメリットもありますがデメリットもあります。メリットやデメリットを理解することはとても重要です。個人再生を検討されているかに少しでも役立てていただければと思います。

「個人再生のメリット」

1.支払いの督促がなくなる

弁護士や認定司法書士の専門家に依頼すると受任通知を各債権者に送ります。受任通知が届くと一時的に借金の返済がなくなり、支払いをおこなわなくても債権者からの督促はストップされます。債務整理の手続きをおこなうと、その期間は直接請求することができなくなるためです。
※専門家に依頼をすることで、督促がなくなるので精神的に楽になり、仕事に専念することができます。

2.債務金額が大幅に少なくなる可能性

「基準債権額」で示されているように、100万円以上の借金がある場合大幅に返済総額が下がります。
基準債権の総額が100万円未満の場合は基準債務額の全額
基準債務額が100万円以上500万円未満の場合は100万円
基準債務額が500万円以上1,500万円未満の場合は基準債権額の5分の1
基準債権額が1,500万円以上3,000万円未満の場合は300万円
基準債権額が3,000万円以上5,000万円未満の場合は基準債権額の10分の1
※例えば、住宅ローン以外の借金の総額が500万円の借金がある場合、最低弁済額は5分の1の100万円まで減額され、これを3年かけて返済するなら、ひと月の返済額は約3円となります。

3.住宅ローンが残っている住宅を手放さずにすむ可能性がある

個人再生は自己破産と違い、一定の価値がある財産すべてを処分することはありません。住宅ローンが残っている住宅は、住宅ローン特則により、住宅ローン以外の借金を減額することが可能です。しかし、住宅ローンの中に購入資金以外の借金が組み込まれている場合は、特別扱いできず住宅を手放さなければならない可能性もあります。
「住宅ローン特則」を利用できる主な要件は以下の通りです。
●個人再生の要件を満たしている
※当然のことですが個人再生の条件を満たしていない方は当てはまりません。任意整理や自己破産では住宅ローン特則を利用することはできません。

●住宅資金貸付債権(住宅ローンとしての借り入れ)であること
※一般的な住宅ローンを組んでいる人はほぼこれに該当します。諸費用ローンも、登記料などの税金や不動産仲介手数料など、住宅購入に不可欠なものは、裁判所が使途と金額などを勘案し、総合的に判断した上で認められる場合があります。

●本人が所有している住宅であり、本人の居住用の建物であること
※本人が所有している建物である必要があります。床面積の半分以上が居住用になっている条件が必要です。例えば、自宅兼事務所や店舗になっている物件は、半分以上を居住のために使っているのであれば問題ありません。
また、夫婦で住宅ローンを組んでいる場合でも問題ありません。本人以外の誰かと持分を共有している場合も「所有」に該当するため、住宅ローン特則を使うことができます。

●本人が居住の用に供する住宅であること
※個人再生の申立て時点で、本人が住んでいる、または住む予定の住宅であることが条件になります。ただし、別荘やセカンドハウスなど、生活の本拠地でない住宅の場合は住宅ローン特則が使えません。また、第三者に貸している投資物件などのローンも当てはまりません。

●不動産に住宅購入ローン以外の抵当権がついていないこと
※資金繰りに困り、住宅を担保にお金を借りて住宅ローン以外の抵当権がある場合など。

●保証会社による代位弁済後、6ヶ月を経過していないこと
※住宅ローンの返済を滞納したとき、保証会社が債務者に代わって住宅ローンを債権者に支払います。これを代位弁済と呼びますが、代位弁済後、6ヶ月以内でなければ住宅ローン特則は使えません。

●税金などの滞納
※例えば税金等の滞納があり、住宅に対し官公庁による滞納処分が行われる場合には、滞納処分が解除されない限り、住宅ローン特則は使えません。

4.財産を残せる可能性

※生命保険やローンが終わっている車などの財産は処分の対象にならない場合もあります。ローンが残っている車は処分の対象になります。

5.借金の理由が問われない

※自己破産とは違い借金をした理由を問われることはありません。なので、ギャンブルやショッピングなどで作ってしまった借金で、任意整理が不向きな方は個人再生を選ぶことができます。

6. 資格制限がない

※自己破産と違い個人再生は資格制限がありません。自己破産の場合は手続き中に仕事に就けない職業もありますが、個人再生には資格制限がないため仕事を休まず働くことができます。

7. 免責不許可事由がない

※破産法第252条第1項は、免責不許可事由について列挙して規定しています。
免責不許可事由があると、裁判官の裁量による免責(これを裁量免責といいます)が認められない限り、免責が認められないことになります。
ギャンブルやショッピングでの借金、浪費が原因で借金をしたという事実が免責不許可事由に該当します。
個人再生には、破産法の免責不許可事由と同じような規定はありません。
借金の原因がギャンブルでも、個人再生が規定する要件を充たしていれば、再生計画案は原則として認可されます。
自己破産では免責がもらえないと判断した場合、個人再生の利用を検討することになります。

8.破産しないで済む

※個人再生は自己破産手続と違い、財産を処理する必要がありません。

「個人再生のデメリット」

1.信用情報機関に傷がつく

※当然ながら個人再生も債務整理の一つなので、信用情報に残ります。債務整理をおこなった時点で登録されます。
その記録が消えるのは、完済し終えてから5年から10年です。

「各信用情報機関に登録される期間」

信用情報機関 概要 登録期間
株式会社シー・アイ・シー(CIC) クレジット会社を主会員とする 5年
株式会社日本信用情報機構(JICC) 消費者金融会社を主会員とする 5年
全国銀行個人信用情報センター(KSC) 銀行や信用金庫を主会員とする 10年

2.残債が残る

※デメリットとして思うかは個人それぞれの判断になりますが、個人再生は自己破産と違い、借金が全額免除される手続ではありません。大幅に借金は減額され毎月の返済金額は楽になりますが、住宅ローンは全て残ります。

3.官報に掲載される

※個人再生は自己破産同様、官報に住所と名前が3回掲載されます。
裁判所に申立てをした後、開始決定時、書面決議の決定時、及び裁判所から再生計画案の認可決定時の3回です。

4.連帯保証人が付いている借金は連帯保証人に請求がいく

※個人再生をおこなう人のデメリットには当てはまるか考え方によりますが、保証人、連帯保証人、連帯債務者が付いている債権がある場合に個人再生をおこなうと保証人に請求がいきます。保証人には事前に理解してもらうことをお勧めします。本人にはデメリットにはなりませんが、保証人に請求がいくためデメリットといえるかもしれません。

5.費用がかかる

※債務整理全部に当てはまりますが、個人再生を弁護士などの専門家に依頼すると費用がかかります。弁護士に依頼をする費用以外に裁判所へ納める与納金もかかります。弁護士費用は33万円からが相場になり、個人再生員が選任された場合は15万円からと考えておくと良いでしょう。
※弁護士などの専門家に依頼すると、債権者に受任通知を送り、毎月の返済をストップすることができます。その間に個人再生に掛かる弁護士費用や与納金など、分割で貯めながら手続が可能な場合が多く見られるので、一度、弁護士などの専門家にご相談をお勧めします。

6.個人再生の手続きは複雑

※個人再生の手続きはとても複雑です。自己破産と違い監督する弁護士が裁判所から付きません。
本人で手続きをおこなうことももちろん可能ですが、失敗を最小限に抑えるために、弁護士などの専門家に依頼することをお勧めします。

7. 特定の債務を手続き対象から外せない

※個人再生は任意整理と違い、債権先を選んで債務整理をおこなうことができません。住宅ローンを除く全ての債権を含み再生手続きをおこないます。車のローンなどの債権も再生の対象になりますので、車はローン会社が引き上げることになります。

精算価値保証原則

個人再生をおこなう場合、「精算価値保証原則」という言葉を理解しておくと良いでしょう。
個人再生は、あくまでも経済的困窮者の社会生活の援助を目的としていますので、財産がある方は個人再生をおこなったとしても、借金が財産価値より高い場合は財産の価値より高い金額になります。債権者から見れば当然のことですが、土地や価値が高い財産があるなら、それをお金に換えて支払ってもらいたいと思うからです。
※民法では債務者と債権者の権利関係を適切に調整するべく「清算価値保証原則」を定め、財産の保持と引き換えに、財産の合計額以上の金額を返済する必要があるとしています。

個人再生の結果(例)

個人再生前後の返済

自分で個人再生をおこなう場合の費用

手続きイメージ
申し立て手数料:1万円
予納郵券:5千~1万円
予納金(官報公告費用):約1万2千円
監督委員か個人再生委員が選任された場合(裁判所により)は、予納金として新たに15万円~25万円かかります。

専門家に頼んだ場合の個人再生の料金(一つの目安)

認定司法書士・弁護士:33万円~
住宅ローン特則など利用する場合は別途費用が掛かります。
予想される予納金を分割で積み立てる場合もあります。
案件や借金の金額と内容によって金額は変動します。
分割対応をおこなう事務所もあります。お気軽にお問合せ下さい。

個人再生と任意整理の違い

個人再生と任意整理の違いは、個人再生では、裁判所を通す手続を取ることです。債務の大幅な減額が可能になります。任意整理は、利息制限法に基づく引き直し計算(過払い金の清算)をおこない、今後の利息をカットして借りている元金を5年前後で返済することを約束する内容になります。個人再生と違い大幅な減額はまでは債権業者は認めません。
個人再生の場合は、元金も含め概ね5分の1まで借金を圧縮できます。任意整理よりも月々の支払い金額が減額されるケースがほとんどです。ただし、任意整理のように債権先を選ぶことができません。任意整理の場合は債権先を選んで債務整理することが可能です。基本的な考え方は、任意整理で借金の返済が難しいと判断した場合に、個人再生や自己破産と考えていきます。

個人再生 任意整理
借金減額 概ね5分の1まで圧縮。高額な財産がない限り、任意整理よりも借金が減額される。 過払い金と今後の利息カットが望めます。
対象になる債権先 全ての債権先が対象 一部の債権先だけでも可

個人再生と自己破産の違い

個人再生と自己破産の違いは、大きく分けて借金を全額免除してもらうか、借金を大幅に圧縮してもらい支払っていくかの違いです。
また、財産を処分するか、財産を処分しないか、という2つの点が大きく違います。
個人再生の場合は、返済を継続していくので財産があったとしてもその財産を処分する必要はありません。ただし、個人再生手続上、財産の総額は「精算価値保証原則」がありますので、その価値が高額であれば手続き後の返済額に影響してきます。
また、個人再生には、手続中の資格制限がありませんので、仕事もそのまま続けられるメリットもあります。自己破産のようにギャンブルやショッピングなどによる借金などの免責不許可事由などもありません。
自己破産をしたくない人、自己破産ができない理由がある人で、どちらを選んで債務整理するか判断する必要がでてきます。

個人再生 自己破産
借金減額 概ね5分の1まで圧縮 全額
住宅について 住宅ローン特則が利用できれば残せる 処分される
車について ローンが残っていたら、手放す可能性があります ローンが残っていない場合でも、時価が20万円超の場合は処分対象
資格制限 なし あり
免責不許可事由 なし あり

個人再生と民事再生の違い

個人再生は、民事再生とほぼ同じで借金を大幅に減額することができる手続きです。
民事再生は、法人であっても、個人であっても利用できますが、個人の方の借金総額が5,000万円以下の場合(住宅ローンの借金は除く)個人再生をおこなうことになります。個人再生の中でも給与所得者再生と小規模個人再生に分けられますが、通常は小規模個人再生をおこなうことになります。
また、民事再生や個人再生は債権者の過半数及び債権額の2分の1以上の同意が必要になります。民事再生の場合、届出をしなかった債権者は再生計画案に反対であるとみなされるのに対し、個人再生の場合、届出をしなかった債権者は再生計画案に賛成であるとみなされます。
個人の方は、特別な事情がない限り民事再生を利用することはほとんどありません。個人再生は、一般の方が利用しやすいようになっています。

個人再生のまとめ

ご覧いただいたように個人再生は、社会的困窮者の救済を目的とした新しい法律になります。自己破産では対応できない、または、自己破産を避けたい方にとって借金を大幅に減額できて、住宅ローンが残っている家を手放さずにすむとても素晴らしい法的手続きだと思います。
しかし、手続きには専門的な知識や段取りが必要になりますので、本人で手続きをおこなうとなると、とても複雑で難しいと判断することができます。
どんな仕事にも専門家がいます。弁護士や認定司法書士に、まずはご相談することをお勧めします。

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