「任意整理」とは、裁判所等の第三者が関与しない債務圧縮手続です。実務上、倒産事件の大半はこの手法によって処理されます。
 実際、任意整理のメリットの方がデメリットよりも多いのでしょう。しかし、そうした理由はあくまでも後付けで、「人の生死に直接関わる問題じゃあるまいし、とにかく内輪で穏便に解決しましょう」というのが本音なのかもしれません。
 経済苦を理由とした自殺者が多く存在することからして、債務負担は明らかに生死に関わる問題です。米国のような訴訟社会を目指せとは言いませんが、もう少し外に目を向けるべきではないでしょうか。倒産は社会構造に起因するところも多く、皆で解決すべき問題だとの風潮が根付けば、自分だけで思い悩み、任意整理にまで追い詰められる債務者が激減する可能性もあるのですから。