「自己破産」に対して負のイメージを持つ人は意外と多いようです。
なんといっても「破産」という言葉が仰々しいです。「狂牛病」もそうでしたが、日本人は言葉の魔力に囚われ易いのでしょう。

自己破産の具体的帰結について正確に理解されていない、ということもあります。選挙権は普通に行使できますし、ごく一部の職業を除き欠格事由に該当することもありません。官報に名前は掲載されますが、大半の人は見ませんから、気にする必要は全くないです。
中には、「自己破産に追い詰められるような人間は、何かが欠落している。」などと思う人もいるかもしれませんが、誰もが自己破産を迫られ得るのです。社会構造が特定人を自己破産に追い詰めている、といった側面も看過してはなりません。

自己破産は、債権者に公平に財産を分配する一方で、債務者を弁済責任から解放し、社会の構成員として復権させる救済制度です。誤った負のイメージは、債務者に自己破産の決断を躊躇させるものです。経済的に困窮している隣人に「自己破産は恥ずかしいことではない」と言ってあげられる気概を持つことが重要です。