裁判所による数々の英断、それを受けた法改正、解決を目指す諸勢力の活躍により、多重債務者問題は収束に向かってきております。それでも、2012年1月末時点において、消費者金融業者5社以上から借り入れをしている多重債務者は50万人以上存在するそうです。多重債務者だけで政令指定都市が作れるのですから、凄い人数だと思えますね。
 多重債務者問題は非常に根の深いものですが、それだけに英知が結集され、多くの解決策が存在しています。以下、簡潔な内容とともに列挙します。

①相談窓口
弁護士会、司法書士会、消費生活センター、各自治体等が設置しています。多くは無料で利用できます。

②任意(私的)整理
 裁判所等の第三者が関与せず、弁護士・司法書士が債権者との合意を通してなす債務圧縮手続です。実務の大半がこの手法によっています。

③特定調停
簡易裁判所、調停委員が関与する債務圧縮手続です。

④自己破産
債務者自らまたはその代理人たる弁護士等が申立人となり開始される裁判上の倒産手続です。債務者は残債務全ての弁済の責任を免れます。

⑤個人再生
 債務者の経済生活の再生を目的とした裁判上の倒産手続です。債務者は計画に沿って整理された債務を返済します。