「失われた20年」とも評される不況時代。多くの人が経済的な苦悩を抱えています。中でも「多重債務者」の苦悩は特筆に値します。ここでは事後的措置ではなく予防策について言及します。

 一般人が多重債務者になるに至る最大のターニングポイントは、消費者金融からの借入れでしょう。「どうして放置するの?」と違和感を覚えるほどに、数年前までは消費者金融のCMが沢山流れていました。それによる刷り込み効果も後押ししているのでしょう、切羽詰まった債務者は消費者金融に駆け込んでしまうのです。
 金銭苦は確かに恥辱を伴いますし、秘匿性を保てる消費者金融に魅力を感じる気持ちもわからないではありませんが、まずは親兄弟、友人等に相談し、助力を仰ぎましょう。
それでもダメならば、「生活福祉資金貸付制度」の利用を検討すべきです。これは各都道府県社会福祉協議会が実施主体の金融制度で、低所得世帯も対象に含まれます。連帯保証人が必須でなく、金利の問題も無視できるという点で、消費者金融よりもはるかに優れています。低い認知度を放置している国にも問題はありますが、多重債務者予備軍の方は、自分を守る一義的責任が自分にあることを忘れないで下さい。