多重債務者とは、複数の消費者金融などに債務を負う人のことです。広義では、連帯保証人として責任を負うケースも含めていいでしょう。
まず銘記すべきは、「感覚上の債務」と「法律上の債務」に齟齬が生じうるということです。裁判では貸し手が債務の存在を証明する必要がありますが、契約書がなければ証明に失敗する可能性は高いです(所定の時期以降の保証契約に関しては、契約書は必須です。)。契約締結過程で欺罔・強迫行為が存在すれば、契約を取り消すこともできます。一旦有効に債務が発生しても、時効で消滅している場合もあります。これらの事情により「法律上の債務」はないにもかかわらず、あると思い込んでいるだけのケースが少なからず存在するのです。

そこで有効なのが「債務整理」です。これは、弁護士・司法書士等の協力を得て、「法律上の債務」を判別する作業です。数百万単位で債務が圧縮されることも、決して珍しくありません。
ウェットな関係に重きを置く日本では、「借りたものは返さなければ」といった道義心に縛られ、自分を追い込んでしまう方もかなりいます。しかし、「無いものは無い」と敢然と主張する気概を持つことが何よりも重要なのです。